賃貸用不動産の立ち退き請求 不動産の立ち退き問題に悩むオーナー様へ

コラム2 借主(借家人)側の正当事由で立退き料は変わる

立退き請求が認められるかどうかは「貸主(家主)側の正当事由」と「借主(借家人)側の不都合」のバランスで貸主に正当事由が認められるかどうかによります。
このため借主(借家人)に著しい債務不履行がある場合を除いては、立退きが認められるか否か、または立退きが認められるとして立退料をいくらにするかという算定には、転居することになる借主側の不都合も考慮しなくてはなりません。
では,借主のどのような事情が考慮されるのでしょうか。

借主が住居として必要としている場合

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借主が住居として当該物件を必要としている場合、借主の側に立って現実的に考えれば、立ち退くにはまず転居先を確保する必要があるなど、不都合が多々あると思われます。このため、貸主側にそれ相応の立退きを求める理由である事情があったとしても、借主に借家・マンション・貸店舗等の家賃不払いがあり、いくら催促しても応じないなどという「債務不履行」がない限り、立退料を支払って「正当理由」を補完しなければ立退きを請求することは難しいと思われます。

反面、「借主が住居を失う状況」ではない場合、つまり借主の希望に沿う代替物件を貸主が提案しているなど、借主の住居が当該物件の他にも存在していれば、「借主側の不都合」はより少ないと判断できます。
このように、借主側の事情を考慮することで、立退料に差が出ることもあります。

当該物件で商売を営んでいる場合

借主が当該物件で商売をしている場合、借主にとって立退きに対する不都合は大きいと思われます。また、長年そこで商売を営んでいれば、場所移転による経済的損害は大きく、立退きにおいて、もっとも立退料による補完が必要(=立退料が高額)となるケースのひとつです。

もちろん、借主の営んでいる商売の営業実績等も考慮されます。当該物件において順調な業績があれば、もちろん貸主側の正当事由を補完する立退料もまた、高額になることでしょう。しかし、業績が必ずしも芳しくなければ、前述のように、業績がある場合より立退料は軽減されるかもしれません。

上記のように、「お店をやっている=立退料が高くなる」と簡単に考えるのではなく、相手の状況次第(売上がほとんどない=その場所で営業しなくてはいけない理由は少ないなど)では、立退料を低く抑えられる可能性があることを知っておかねばなりません。